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山口長男(1902-1983)

京城府(現・韓国ソウル)出身。1921に19歳で日本に来
るまでを京城ですごした。
本郷洋画研究所で岡田三郎助に学び、20歳になった1922、
東京美術学校(現東京藝術大学)に入学。1927、同校卒業と
共に渡仏。フランスではパブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラッ
ク、それに当時渡仏中だった佐伯祐三にも刺激を受ける。
また、彫刻家のオシップ・ザッキンのアトリエにも出入りし
、立体的な造形をも習得に努めた。戦後、二科展の再結成に
あたり会員として参加し、1962まで二科展1953、日本アブ
ストラクト・アート・クラブの創立に参加し、1954に会員
としてニューヨークでのアメリカ抽象美術展に出品。同年
、武蔵野美術大学教授となる。1955に第3回サンパウロ・ビ
エンナーレ、1956に第28回ヴェネツィア・ビエンナーレの
日本代表として出品、その後、グッゲンハイム賞美術展、
チューリッヒ市立美術館の「現代日本の絵画展」など、国
外での出品も広がる。1961、芸術選奨文部大臣賞を受賞。

1982、三雲祥之助の後任として、3代目の武蔵野美術学園
学園長に就任。

典型的な作品は、黒系の地に黄土色または赤茶色系の大き
な色面を配したもので、いわゆる「ハード・エッジ」の抽
象絵画とは違い、温かみを感じさせる。

山口長男年譜

1902 現在の韓国ソウルに生れる
   京城中学時代から水彩画に親しむ

1921 上京後、本郷洋画研究所に通い、川端画学校でも学ぶ

1922 東京美術学校西洋画科に入学
   和田栄作の教室に学ぶ

1927 同校卒業後、同期生の岡田謙三、荻須高徳らと上杜会
   を結成
   帰国中の佐伯祐三を知り、荻須と共に渡仏

1928 佐伯没後は、オシップ・ザッキンのアトリエに通い、
   立体派風の作品を制作

1931 帰国後、二科展に出品
   抽象的な作風が注目される

1938 二科会会友となる(-1962)
   吉原治良、桂ユキらと九室会を結成

1953 日本アブストラクトアートクラブを結成

1954 同会員として第18回アメリカ抽象美術展に出品
   第1回現代日本美術展で優秀賞を受賞
   日本国際美術展やサンパウロやヴェネツィアビエン
   ナーレ展等国際展に出品

1961 芸術選奨文部大臣賞受賞

1974 武蔵野美術大学教授退官

1980 「山口長男・堀内正和展」開催
    東京国立近代美術館

1983 東京にて死去、享年80歳

戦後、二科会の会員として参加し戦後の抽象絵画草創期
をリードした
限られた重厚な色彩で形象を厳しく追求した抽象表現は
高く評価された

代表作品
「劃-赤」(1968)(島根県立美術館)
「脈」(1968)(静岡県立美術館)
「作品」
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