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福井良之助(1923-1986)

淡雅、静謐な画風で広い支持を得た洋画家福井良之助は、
7月9日クモ膜下出血のため神奈川県相模原市の北里大学
病院で死去した。享年62。1923年12月15日東京日本橋
に生まれる。1936、聖学院中学校に入学し、光風会会員
であった島野重之に師事。1944東京美術学校工芸科鋳金
部を卒業する。46年第41回太平洋画会展に「みちのくの
冬」で初入選、一等賞を受賞し、29年第18回自由美術家
協会展に「窓」を出品して佳作賞を受ける。のち団体か
ら離れ無所属となる。1959日本橋画廊で孔版版画による
第1回個展を開きアメリカの画商らに認められ、1962ニュ
ーヨークのウエイ画廊で個展を開いたのをはじめとして
海外でも作品を発表。1961より日本国際美術展、1962よ
り現代日本美術展、東京国際版画ビエンナーレ展、1970、
リュブリアナ国際版画展に出品するなど版画家として知
られるようになる。また、1965より国際形象展、1972よ
り潮音会展に油絵を出品。渋く淡い色彩で花、風景、少女
を描いて枯淡な詩情ある作風を示し、その素描力には定
評があった。1975には舞妓のシリーズを制作し虚実あい
なかばする幻想的な美しさで新境地を開いた。「福井良之
助作品集」(1968美術出版社、1973求龍堂、1981講談社)、
素描集「鎌倉の道」(1983日本経済新聞社)が刊行されて
いる。

福井良之助年譜

1923 東京、日本橋に生まれる

1944 東京美術学校鋳金科卒業
   太平洋画会に出品、一等賞受賞

1954 自由美術家協会優秀作家賞受賞

1961 第6回日本国際美術展出品
   ニューヨークで個展開催

1962 第5回現代日本美術展出品
   第3回国際版画ビエンナーレ展出品
   ミラノで開催の現代日本版画展参加

1963 第7回日本国際美術展出品
   ユーゴスラビアのリュブアナ国際版画ビエンナー
   レ展参加
   ニューヨーク、ロスアンゼルスで個展開催

1964 第4回東京国際版画ビエンナーレ展出品
   第6回現代日本美術展出品
   シカゴ文化祭全米十人選抜作家展作品招待
   シカゴ、東京で個展開催

1966 フランス・スペイン・イタリア訪欧

1967 オーストラリア、ニュージーランド、ニューギニア
   訪豪

1972 オランダ・フランス・デンマーク訪欧

1973 オランダ,フランス,ベルギー,スペイン訪欧
   現代日本美術展(現代美術二十年の展望)出品
   東京・フジヰ画廊で個展開催

1976 中国・イラン訪問

1986 逝去 享年63歳
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