今井幸子(1933- )を夢見て同じく大阪生まれの洋画家である田村孝之介 に師事し絵画について学んでいきました。 その後、21歳で二紀展に出品した作品が初入選を果た した事から二紀会同人として活躍し様々な賞を受賞す るなど若くして才能を発揮させます。 日本で功績を遺した今井幸子は、海外でも活躍したい と考え37歳でフランスに渡仏し、パリにある美術学校 アカデミー・グランドショミエールとエコール・ド・ ギャルソンでも絵画の技術を学びました。 そして日本とフランスで学んできた技術を生かし、フ ランスでは入選する事が難関と言われているサロン・ ドートンヌへ応募します。 サロン・ドートンヌとは、毎年秋にパリで開催される 展覧会で、世界で様々な著名人が朝鮮してきた有名な サロンです。 日本人では、フランス画家で彫刻家でもある藤田嗣治 をはじめ、洋画家の小山敬三・すらっとした女性を主 に描いている東郷青児・カラフルなシルクスクリーン が特徴のヒロヤマガタ・人物画が得意な小磯良平など 、他にも様々な芸術家が入選している。 ですが、過去には応募数の半分以上が落選するという 事実もあり、とても狭き門という事がわかります。 それでも今井幸子は狭き門へと突き進み、見事入賞を 手にするのです。 サロン・ドートンヌ入賞後は、様々な展覧会に出品し 受賞を重ねアンデパンダン展の会員に選ばれました。 今井幸子の作品は、主にフランスのパリをテーマにし た作風が多く描かれていて、主に女性を描いた作品が 人気が高く、油絵は高評価を得ています。 今井幸子の描く女性は、鼻筋がスッと通り彫が深く色 白でパリにいる女性を美しく描き上げ、風景画は全体 的に柔らかな印象ですが、人物と建物の特徴がしっか りと表現されています。 また、今井幸子の女性を描いた作品は、1984から約10 年間に渡って女性雑誌「SOPHIA」の表紙としても起用さ れていました。 80歳を超えても尚劣らない画力は、多くのファンを虜 にしていると言えます。 今井幸子年譜 1933 大阪に生まれる 田村孝之介に師事 1954 二紀会初人選後、二紀会同人として毎回出品 関西ニ紀会佳作賞 朝日新人賞、造形展造形賞などを受賞 1971 渡仏 パリではアカデミー・グランショミエールと エコール・ド・ギャルソンに学ぶ 以後はサロン・ドートンヌに入選 以降毎回出品 サロン・アーティスト・フランセーズ銅賞 サロン・アンテルナショナル・パリ・シュドの ブロンズ賞等受賞 また、1984年より講談社女性月刊誌”SOPHIA”の表紙 絵を10年以上にわたり描き、企業カレンダーやCDジ ャケット等にも多く採用された 2012 軽井沢にアトリエを移す 今井幸子の作風は、ベル・エポックと呼ばれるフラン ス・パリが最も華やかだったと言われる時代を生きた エレガントな女性像が特徴的です。 社交場を描くのではなく市井の人々の日常生活を切り 取った作品が多いですが、時代の高揚感や華やかさが 上品に表現されています。 |