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ジャン ジャンセン
Jean Jansem(1920−2013)

アルメニア人画家であり、戦後のフランス具象画壇で活
躍する巨匠、高いデッサン力に裏打ちされた、デリケー
トで繊細な線描の美しさ、そして原色を避けた、淡淡し
くも情を感じさせる色彩が特徴。

作品の主なテーマとして、『普段の日常をありのままに
描く』ということが挙げられる
画家本人も「私は私が見たものだけを描く」と語ってい
る、くモチーフは踊り子、プロセッション(宗教行列)、
闘牛士、マスカラード(仮面舞踏会)と変化したが、素朴
な人間たちの魂を追う、という普遍的な想いは変わるこ
とが無かった。

卓越したデッサン力により様々なコンクールで受賞を重
ね、現在に至る。
日本では1993年4月24日、安曇野に世界で初めて
のジャンセンの個人美術館「安曇野ジャンセン美術館」
が開館した。
また、アルメニア大虐殺のシリーズを描いた後に画家と
しての功績が認められ、フランスのレジオンドヌール勲
章と故国アルメニアの国家勲章を受章した。
祖国アルメニアの迫害や虐殺という悲劇の歴史は、ジャ
ンセンのその後の生き方に大きな影響を与えた。
2002年4月、アルメニア国立館にて大々的に「虐殺展」を
開催。その功績が称えられ、国家勲章を授章した。

現在、主要作品の多くがパリ市美術館に所蔵されている。
ジャンセン芸術はフランス内外で高い評価がされており
、近年では佳作の入手は大変難しい。

ジャンセン年譜

1920  アナトリア北西部の町ススルルク(Susurluk)
    において、製糸工場を営んでいたアルメニア
    人の父(ミリ・ジャン)とトルコ人の母(アレッ
    ク)の間に誕生
    戦渦を逃れて渡ったギリシャのサロニカで少
    年時代を過ごす

19311 一家でフランスに渡る
   怪我の治療で入院していた3年間のなかで、画家
   になる決心をする

1938 パリ装飾美術学校を卒業
   モンパルナスのグランド・シュミエール等様々
   なアトリエで絵の勉強をする

1939 サロン・ドートンヌ展、アンデパンダン展、サロン
   ・デ・チュイルリー展、エコール・ド・パリ展、時代
   の証人画家展に出品する(-1946)

1942 結婚、ギリシャで漁師と子供達を描く
1946 アカデミー・グラン・シュミエールに通い様々な
   画家との親交を深める(-1948)

1951 ポピュリッツ賞受賞
   スペインで民衆を描く

1953 アントラル賞受賞

1954 フランス国家給費奨学金を受ける

1956 定期的にイタリアに長期滞在し、風景画・人物画・
   宗教行列・市場を描く

1958 サロン・デ・ジューヌ・バンチュール(青年絵画展)
   の会長に推される 
   サロン・ドートンヌの会員となる
   メキシコのコンパレゾン賞受賞

1959 ブルッヘのビエンナーレ展に参加

1960 以後フランス、アメリカ、イタリア、スイス、英国等
   個展をはじめ国際的に活躍の場を広げる

1964 本格的にリトグラフの制作を手掛けるようになる

1966 ヴェネツィアを訪れ運河を描く
   国際形象展から招待出品を受ける
   以後も最終回となる1986年まで21回招待出品

1967 パリ、パームビーチ、シカゴ、東京、ヨハネスブルグ
   、大阪、アントニー等で「ベニス展」「ダンス展」
   「闘牛展」「デッサン展」「過ぎ去った時展」「風景展」
   「イタリアの風景展」「仮面舞踏会展」「マスク展」
   「回顧展」「石版画展」「宗教行列展」「パステル・グワ
   ッシュ・デッサン展」「カーニバル展」等を開催
   モーリス・ガルニエ画廊で「ヴェニス」展

1969 モーリス・ガルニエ画廊で「ダンス」展
   東京の三越で初の個展
   さいたま市、安曇野市に作品を常設展示する
   美術館設立

1971 モーリス・ガルニエ画廊で「闘牛」展

1973 モーリス・ガルニエ画廊で「人物と構図」展

1975 モーリス・ガルニエ画廊で「時の流れ」展

1977 モーリス・ガルニエ画廊で「イタリアの風景」展

1978 ギャラリー・マティニオンで「マスカレード」展

1979 ザ・エペラッド・レード・ギャラリーで回顧展
   (ヨハネスバーグ)

1980 ギャラリー・マティニオンで「仮面シリーズ」展

1984 ジャンセンカタログレゾネが出版される

   (フランコニー社刊)
1996 安曇野ジャンセン美術館、大丸ミュージアム、
   ナビオ美術館で回顧展開催
   「愛と哀しみを描いて60年」展開催

1999 安曇野ジャンセン美術館で特別展
   「風景と静物画展」「花と踊り子展」を開催

2000 ギャラリーマティンオンで「My tholigies」展
   開催
   東京にジャンセン美術館設立
   安曇野ジャンセン美術館で特別展
   「デッサン展−65年のあゆみ−」を開催

2002 アルメニアアに招待を受け、アルメニア正教会の
   成立1700年を記念し同国立館にて大々的に「虐
   殺展」開催
   アルメニア国家勲章を受章
   (カラヤン、シラク仏大統領に続き三人目)

2003 フランス国家勲章、レジオン・ド・ヌール勲章
   受章

2013 8月27日、フランスにて逝去

彼の作品は、パリ国立美術館をはじめ欧米の諸美術館
に収蔵されている

「物事はあるがままで美しく、人生は短いけれど素晴
らしい。滅びることがないものなどない。」
−ジャン・ジャンセン

作品の主なシリーズ
バレリーナ
ベニス
闘牛
マスカラード(仮面舞踏会)
プロセッション(イタリアの宗教行列)
カーニバル
神話
虐殺
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