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中川一政(1893-1991)

1893 東京本郷に生まれる

1907 神田の錦城中学校(旧制)に入学する

1910 若山牧水主宰の「創作」に短歌を投稿、掲載される

1911 「萬朝報」に自作短編小説「椎の木」が当選受賞する

1913 「早稲田文学」に短歌を発表する

1914 最初に描いた作品「酒倉」が岸田劉生に認められ、画家
   を志す

1915 「霜のとける道」が当時の新人画家の登竜門だった
   巽画会展に入選
   岸田劉生が組織した草土社に参加

1920 初の個展(油彩)を開く
   千家元麿、宮崎丈二らと雑誌「詩」を創刊

1922 草土社と旧院展洋画部の画家たちが合流して組織した
   春陽会の発足に加わる

1923 伊藤暢子(伊藤為吉の娘)と結婚する

1925 アルスから訳書「ゴオホ」を発表する

1926 アトリエ社から「中川一政画集」を出版する

1931 水墨画の個展を開く

1933 都新聞に「人生劇場 青春編」(尾崎士郎原作)の連載が
   始まり、挿画を担当する

1938 都新聞夕刊に「石田三成」(尾崎士郎原作)の連載が
   始まり、挿画を担当する

1943 石井鶴三・中川一政水墨画展を京都南禅寺、無隣庵
   にて開催する

1949 真鶴町にアトリエを構え「福浦」「駒ヶ岳」等制作

1953 ニューヨーク経由でブラジルへ
   次いで年をまたいで仏、英、 伊の諸都市を廻る

1960 長与善郎・中川一政・武者小路実篤・梅原龍三郎4人
   展を日本橋三越で開催
   福浦を描いた「漁村凱風」が全国知事会より東宮御所
   に献納された

1961 歌会始の召人に選ばれ次の召歌を詠進

1964 中国対外文化協会の招聘により、日中文化交流協会
   代表団として訪中する

1967 大仏次郎の小説「天皇の世紀」(朝日新聞連載)の挿画
   を分担執筆する
   この頃から箱根にて描き始める

1975 中国文化交流使節日本美術家代表団の名誉団長として
   訪中
   日本経済新聞に「私の履歴書」を連載する
   文化勲章を受章

1986 中央公論社から「中川一政全文集」(全10巻)が出版さ
   れる
   松任市立中川一政記念美術館開館

1989 真鶴町立中川一政美術館開館

1990 「中川一政美術館1周年記念展」開催、33点の新作油彩
   画を発表
   パリ市立カルナヴァレ博物館で「奥村土牛・中川一政
   二人展」開催

1991 2月5日死去、享年97歳
   真鶴町名誉町民の第1号となる

作品
洋画、水墨画、版画、陶芸、詩、和歌、随筆、書と多彩な作品を制作
した作品のすべてが独学であり、自ら「在野派」と称した。洒脱
な文章でも知られた。

97歳と長命であったが、晩年まで創作活動を続けた。視力が
衰えたため、家政婦に絵の具の色の名を大きく書かせて描く時
に見分けたという。絶筆はかねてから好んで描いていたバラで
あった。バラを題材にした作品は判明しているだけで800点を
超える。
遺した美術品コレクションが競売にかけられた際、それまで判
明していなかったがゴッホの油彩画であることが判明した絵画
があった。
当初は落札予想価格が1万円とされていたものが、6600万円で
ウッドワン美術館に落札された。中川がゴッホ作であったこと
を知っていたかどうかは不明。

著作
見なれざる人 (詩集 叢文閣、1921)
ゴオホ (アルス、1925)
美術の眺め (アトリヱ社、1930 のち講談社文芸文庫)
美術方寸 (第一書房、1933)
永福寺余暇 (竹村書房、1934)
武蔵野日記 (竹村書房、1934)
庭の眺め (竹村書房、1936)
旅窓読本 (学芸社、1936)
一政随筆 (学芸社、1937)
顔を洗ふ (中央公論社、1938)
美しい季節 (桜井書店、1942)
一月櫻 (随筆 錦城出版社、1942)
向ふ山 (歌集 昭南書房、1943)
野の娘 (昭南書房、1943 のち講談社文芸文庫)
我思古人 (靖文社、1947 のち講談社文芸文庫)
歳々々 (自在書房、1947 のち講談社文芸文庫)
篋中デッサン (建設社、1947)
香爐峰の雪 (創元社、1950)
見えない世界 (筑摩書房、1954)
モンマルトルの空の月 (筑摩書房、1955 のち中公文庫)
猫と人間 (朋文堂、1955)
正午牡丹 (筑摩書房、1958)
道芝の記 (実業之日本社、1959)
うちには猛犬がゐる (筑摩書房、1963 のち中公文庫)
遠くの顔 (中央公論美術出版、1967)
近くの顔 (中央公論美術出版、1967)
中川一政書蹟 (中央公論美術出版、1967)
中川一政插画 (中央公論美術出版、1971)
さしゑ人生劇場 (求竜堂美術出版、1971)
門前小僧 (中川一政水墨・岩彩 求竜堂、1973)
書の本 (求竜堂、1974)
一政印譜 (求竜堂、1974)
中川一政文集 (全5巻 筑摩書房、1975-1976)
腹の虫 (日本経済新聞社、1975 のち中公文庫)
対談 (求竜堂、1977)
雨過天晴 (歌集 求龍堂、1979)
随筆八十八 (講談社、1980 のち文芸文庫)
中川一政文選 (筑摩叢書、1983 のちちくま文庫)
画にもかけない (講談社、1984 のち文芸文庫)
中川一政ブックワーク (形象社、1984)
つりおとした魚の寸法 (講談社、1985)
中川一政全文集 (全10巻 中央公論社、1986-1987)
裸の字 (中央公論社、1988 のち文庫)
いのち弾ける! (二玄社、1996)
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