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中畑艸人中畑艸人は1912、和歌山県海草郡に生まれました18歳の頃から独学で絵を描くようになり、それから 間もなくして日本水彩画展への入選を果たします。 こうして類まれなる画才を披露した中畑でしたが、 さらに絵の技術を磨くために26歳で上京。洋画家・ 硲伊之助に師事して油彩画を学びます。その後、独学 で築き上げていった描画方法と、硲から習った油彩 画の技法を融合させ、独自の画風を生み出した中畑 は美術家団体「一水会」に入会。名声をさらに高め ていきました。 そんな中、中畑に大きな転機が訪れます。それは偶然 競馬場に足を運んだときのことでした。さっそうと 駆け抜ける競走馬の姿に魅せられ、画題が一転。 それまでは水彩画のような柔らかい色調の風景画を 好んで描いていましたが、これを機に馬をモチーフ とした絵を描くようになります。以来、馬の生態観察 に時間を費やすようになり、ときには外国馬を見る ために海外に足を運んだといいます。このようなた ゆまぬ努力の結果、高い写実力によって躍動感あふ れる馬の絵画を完成させ、数々の公募展で受賞しま した。また、競馬の本場イギリスでも高く評価され るなど、世界的にも名声を高めます。さらには競馬 界からも注目されるようになり、中央競馬会文化賞 選考委員を任されています。 こうして一流画家として名を馳せた中畑は、のちに 大阪中央公会堂の緞帳の原画、那智山青岸渡寺三重 塔の壁画などを担当。87歳でこの世を去るまで、精 力的に活動しました。 中畑艸人年譜 1912 歌山県に生まれる 1930 日本水彩画展に出品 1933 帝展出品 1938 上京し、硲伊之助に師事 1939 一水会展出品(以降毎回出品) 1946 一水会会員推挙 1953 一水会会員優賞 1968 鴨居玲らと赫土会を結成 1999 兵庫県にて死去 馬の絵を得意として中央競馬会馬事文化賞選挙委員 もつとめた 代表作に「陽春」(阪神競馬場)などがある |