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奥田元宋(1912−2003)妻は人形作家の奥田小由女。 「元宋の赤」と言われる独特な赤色が特徴。 「自然と自己の内面を照応した幽玄な山水で精神性の濃い絵画 世界を築く」と評されているほか、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典には「日本の風景美の伝統を受け継いだ静かで神秘 的な水墨画の世界に、多彩な色使いによる色彩美を加え、新朦朧 派と評される独自の風景画を確立した」と解説されている。 また、歌会始の召人に選出されており、歌人としても著名だった 奥田元宋年譜 1912 6月7日広島県双三郡八幡村(三次市吉舎町八 幡)に生まれる(本名厳三) 1931 上京し遠戚の児玉希望に師事内弟子となった 1933 自身の絵画技術に疑義を持ったことを発端に児 玉門下を出奔、その間文学、映画などに傾倒した 1935 師児玉に許されて再び門下に戻るが外弟子に 降格される 1936 文展の鑑査展に「三人の女性」が初入選する 小由女が大阪で生まれる 1937 児玉希望画塾第1回展に「舞踏場の一隅」で塾賞 受賞 児玉より雅号「成珠」を与えられたが用いず、 中国宋元絵画への憧れと本名にちなんだ「元 宋」自ら号するようになった 1938 第2回文展「盲女と花」が特選受賞 1944 戦争の激化に伴い広島に疎開 1949 第5回日展に『待月』が特選と白寿賞受賞 1962 第5回新日展に『磐梯』が文部大臣受賞 文化庁買上げになる 1973 日本芸術院会員に推挙 1974 日展常任理事に就任 1976 同郷の人形作家・川井小由女と結婚 これ以降、小由女は奥田姓を名乗る 1981 宮中歌会始に出席、真言宗大聖院の本堂天井画 「龍」を制作 文化功労者に選ばれる 1984 文化勲章受章 1989 広島県名誉県民になる 1995 日本芸術院第一部(美術)部長就任 1996 元宋による銀閣寺の庫裏、大玄関・弄清亭障壁 画完成 2003 2月15日 心不全のため東京都練馬区富士見台 の自宅で死去 享年90歳 2006 4月15日広島県に「奥田元宋・小由女美術館」 オープン(三次市東酒屋町) 2020 妻の小由女が文化勲章を受章 史上初の夫妻での文化勲章受章となった 代表的な作品 「松島暮色」絹本彩色 77.6cm × 167.1cm、1976 「湖畔春耀」絹本彩色 89.0cm × 105.6cm、1986 主な作品収蔵先 山種美術館 奥田元宋・小由女美術館 著書・画集 奥田元宋『山湖に題して』(三彩社、1975) 『奥田元宋画集』(実業之日本社、1979) 『現代日本画全集 第14巻 奥田元宋』(集英社、1983) 『奥田元宋画集』(読売新聞社、1990) 『広島県名誉県民小伝集 奥田元宋 栃藪啓太』(広島県、1991) 奥田元宋『豊饒の泉』短歌集(読売新聞社、1997) 『奥田元宋展図録』(広島県立美術館、1997) 奥田元宋『山燃ゆる』自伝(日本経済新聞社、2001) 奥田元宋『胸中山水』画文集(ビジョン企画出版社、2002) 『奥田元宋展 卆寿記念』(日本経済新聞社、2002) |