四谷シモン
1944年 7月12日東京に生まれる(本名:小林兼光)
少年の頃より人形制作を好み、川崎プッペに
私淑する
中学卒業後、アルバイトをしながら人形制作を
続け、林俊郎坂内俊美に師事
1961年 一時ぬいぐるみ人形作家水上雄次の内弟子になる
新宿のジャズ喫茶に出入りして、金子國義、コシ
ジュンコらと出会う
歌手のニーナシモンが好きだったことから「モン」
渾名が付く、ロカビリー歌手としても活動する
1965年 雑誌「新婦人」に掲載されていた、澁澤龍彦の紹介
によるハンス・ベルメールの球体関節人形を見て
衝撃を受け、それまでの人形制作方法を捨てる
金子國義を通じて、澁澤龍彦、唐十郎と知り合う
1967年 唐十郎の状況劇場の芝居「ジョンシルバー新宿恋
しや夜鳴篇」
に女形として出演
渋谷東急本店開店キャンペーンのためにディスプ
レイ用人形を作り、それは「前衛マネキン」とし
て雑誌に紹介される
またこの制作過程で張り子人形の技法とメイクの
方法を学ぶ
1968年 状況劇場の紅テントの芝居「由井正雪」に「場のお銀」
役で出演このときから「四谷シモン」の芸名を使う
1969年 「新宿西口中央公園事件」(新宿西口中央公園にお
いて、無許可でテントを立て公演を行った事件)や
寺山修司の天井桟敷と状況劇場の乱闘事件が起きた
1971年まで状況劇場の役者として活動する
1970年 大阪万国博覧会の「せんい館」のために「ルネ・マグリ
ットの男」を制作する
1972年 「10人の写真家による被写体四谷シモン展」が開かれ
階上の中央にはガラスケースに入った人形「ドイツの
少年」が飾られる
この作品が人形作家として本格的に活動する転換点と
なった
1973年 銀座の青木画廊で第1回個展を開催
タイトル「未来と過去のイヴ」は澁澤龍彦による
1975年 「慎み深さのない人形」を発表する
1978年 人形学校「エコール・ド・シモン」開校
当初は既製のパーツを使った人形作りを教えていたが、
自由創作へ方針を転換する
1981年 「第1回エコール・ドシモン展」開催(紀伊国屋画廊)
以来、展覧会はほぼ毎年恒例になっている「少女の人形」
「少年の人形」「機械仕掛けの少年」「解剖学の少年」等
の作品を発表
1984年 ふたたび状況劇場の芝居に出演
1985年 NHK大河ドラマ「春の波濤」にレギュラー出演。
またいくつかのドラマに出演する
演出家久世光彦のドラマの常連俳優だった
1987年 彼の精神的支柱であり理解者であった澁澤龍彦が死去
しばらくのあいだ茫然自失となる
雑誌『文学界』に弔辞「天使になった澁澤さんに…」
を寄稿
松竹・関西テレビ制作のドラマ「女と男」に出演
(横山博人監督、樋口可南子主演)
1988年 雑誌『ユリイカ』の増刊号「総特集・澁澤龍彦」
に「五月の澁澤さんに」を寄稿
1989年 [美術の国の人形たち]に「解剖学の少年」等5作品を出品
(宮城県美術館)
松竹映画『キッチン』に出演
(森田芳光監督/吉本ばなな原作)
日本テレビ「11PM」特集[人形たちのあやしい夜]に出演
1990年 澁澤龍彦の遺作『高丘親王航海記』の故地を見る為に、
巖谷國士夫妻とともに中国旅行
広州、雲南を訪ねる
澁澤龍彦全集月報用に巖谷國士と対談「兄の力」
1991年 雑誌『VISIO―mono』にエコール・ド・モンが
取り上げられる
雑誌「幻想文学」32号(特集・人形綺譚)に、インタビュー
「ふわり、冷ややかな、幽霊のような人形を」が掲載される
1992年 「所蔵作品展」(徳島県立近代美術館)に出品
テレビ東京「私の交遊抄」で江波杏子と共演
開館10周年記念展[アダムとイヴ]に「機械仕掛の少年1」
を出品 (埼玉県立近代美術館)
1993年 NHK「きょうの料理――男の食彩」に出演
山椒地鶏鍋を披露
雑誌「BRUTUS」に篠山紀信連載の「人間関係]」で
「静かな友情」としてモデルをつとめる
雑誌[Do Live]の[The Leader]コーナーに取り上げられる
この企画で嵐山光三郎と対談
雑誌[パンプキン]に「僕の実行しているエコロジー」を寄稿
1994年 「20世紀の人間像―4 現在との対話」に出品
(徳島県立近代美術館)
「KARADAがARTになるとき」に「解剖学の少年」を出品
(板橋区立美術館)
巡回展「人形芸術の世界-夢二から現代へ-」出品
(主催:日本経済新聞社)
NHK「日曜美術館」[幻想の王国――澁澤龍彦の世界]に
案内役として出演
この1年間、雑誌「ユリイカ」の表紙を担当
1996年 「ひとがた・カラクリ・ロボット展」に「機械仕掛の少年1」
等5作品を出品 (O美術館)
1997年 日本の名随筆・別巻81[人形](作品社)を編集出版
1998年 「種村季弘<奇想の展覧会>実物大」に出品(画廊春秋)
NHK「土曜美の朝」が四谷シモンを特集
篠山紀信撮影の写真集「NARCISSISME 四谷シモン」
(佐野画廊・書肆山田)刊行
1999年 「種村季弘<奇想の展覧会>実物大 PartU」に出品
(中京大学)
[種村季弘のネオ・ラビリントス]第7巻にゲストエッセイ
[湯舟のなかの布袋さん]を寄稿
雑誌「太陽」8月号特集「人形愛」で取り上げられる
雑誌「月刊美術」[世紀末エロス1999]巻頭で取り上げられる、
同特集で植島啓司と対談
2000年 大分市美術館を皮切りに、全国5カ所の美術館で大規模な
回顧展[四谷シモン-人形愛]開催
磯崎新企画の「間-20年後の帰還」展に出品
(東京芸術大学美術館)
2001年 高知県立美術館に、旧友・合田佐和子の展覧会を応援に行く
1986年の[女の人差し指]以来出演していたTBSドラマ
向田邦子新春スペシャルが終わり、最後のドラマ「風立ちぬ」
に医師役で出演
全国で約7万5千人の観客を集め、[四谷シモン-人形愛]展が
終了
パリ旅行
状況劇場時代の親友で画家として活躍する大月雄ニ郎らに会う
手持ちの人形を四国・伊予三島市にオープンした「病院ギャラ
リー」に展示
アート情報マガジン『ヒッティ』が四谷シモンを特集
(メディアプロダクション)
京都、奈良(興福寺)、四国(病院ギャラリー)でNHK
「美と出会う」ロケ
2002年 NHK[美と出会う]が[聖なる顔を求めて]のタイトルで
四谷シモンの活動を全国で放送
[文藝別冊/総特集・澁澤龍彦-ユートピアふたたび]で
インタビューを受ける(河出書房新社)
CS放送(スカイパーフェクTV)で、特集番組[人形黙示録-
人形作家・四谷シモンの世界-]放送
「JADE2002土方メモリアル」で、元藤あき子
(土方巽未亡人)、唐十郎と鼎談
NHK「美と出会う――細江英公特集(記憶を記録する)」
に被写体として出演
半生記『人形作家』(講談社現代新書)刊行
赤坂desperaで『人形作家』サイン会
嵐山光三郎、江波杏子、金子國義、唐十郎、久世光彦、
コシノジュンコ、篠山紀信が発起人となり、新宿・陶玄房
で『人形作家』出版記念会
2003年 文化放送のラジオ番組「吉田照美のやる気MANMAN」
にゲスト出演
東京国立近代美術館ニュース『現代の眼』(538号)で
「私の人形史」を語る
フードピア金沢2003の「食談」ゲストとして[食]を語る
(於:金沢市・浅田屋)
久世光彦演出のテレビ・ドラマ「センセイの鞄」(原作・
川上弘美)に出演(WOWOW)
[今日の人形芸術-想念の造形]展に5点の人形を出品
(東京国立近代美術館工芸館)
NHKラジオ番組「わくわくラジオ」に出演、青春時代を語る
NHKテレビ番組「人形の宇宙・ヒトガタに込められた思い」
で作品が紹介される
「病院ギャラリー」(伊予三島市)での作品展示を終了
雑誌[美術手帖]10月号(美術出版社)の[特集・新しい身体と
彫刻の美学]でマリオ・Aと対談
写真集「病院ギャラリー717DAYS 2001−2003」
を刊行(心泉社)
作品[男]がアニメ映画『イノセンス』のキャラクター、
キムのモデルとなる
これを機に映画監督・押井守と対談
2004年 久世光彦演出のテレビ・ドラマ「向田邦子の恋文」に出演
(TBS)
パリ市立アル・サン・ピエール美術館の「人形 POUPEES」
展に4点の人形を出品
四谷シモンの作品は展覧会全体のポスターにも取り上げられる
この展覧会のオープニングに出席するためパリ訪問
東京都現代美術館で開催の「球体関節人形展」に「男」等
11点の人形を出品
読売新聞別刷「Zip Zap」に「木枠で出来た少女3」を使っ
た全面広告が掲載される
東京新聞夕刊「名流」面に「前衛に根付く伝統の心」とし
て取り上げられる
坂出市に「四谷シモン人形館 淡翁荘」オープン、四谷シ
モンの作品を常設展示
「封印された星ーー瀧口修造と日本のアーティストたち」
展(中京大学)に出展
演劇「マダラ姫」公演のパンフレット用に主演の佐野史郎と対談
東京近代美術館工芸館の所蔵作品展で「解剖学の少年」展示
主要作品を「四谷シモン人形館」で常設展示
(香川県坂出市、鎌田醤油内)
2005年 雑誌『サライ』で、[さかしま](ユイスマンス)、[食魔]
(岡本かの子)について語る
久世光彦演出のテレビ・ドラマ「夏目家の食卓」に出演
(TBS)
NHK[趣味悠々-暮らしの中の茶]に、千宗室氏のゲストと
して招かれ、お茶を賞味
英国のブライトン・ミュージアム&ギャラリーで開催の
「人びとと人形」展に参加
2006年 読売新聞の文化欄で四谷シモンの人形が取りあげられる
ラジオ局LOVE FMの「エラン・ヴィタール」に出演
エコール・ド・シモン人形展
(銀座 スパンアートギャラリー)
NHK新日曜美術館の異端の画家シリーズ「甲斐庄楠音」で、
甲斐庄の手記を朗読
多摩美術大学のオープンキャンパスで小川千惠子を司会に講演
イタリアの人類学者マッシモ・カネヴァッチが、トゥカ劇場
(サンパウロ市)の舞踏公演『砂男』(ホフマン原案)で、
四谷シモンの人形パネルを使用
四谷シモンの人形作品がダンサー、シェイラ・リベイロと
コラボレートする
フジテレビのドラマ[東京タワー]に出演
エッセー集[四谷シモン 前編-創作・随想・発言集成]刊行
(学習研究社)
2007年 『新刊ニュース』2月号にエッセー執筆
朝日新聞「たいせつな本」にエッセーを執筆
地方紙にやなぎみわ氏による『四谷シモン 前編』の書評が
掲載される(共同通信配信)
朝日新聞に中条省平氏による『四谷シモン 前編』の書評が
掲載される
毎日新聞にインタビューが掲載される
同志社大学(京都)で[球体関節人形展-四谷シモンを中心に]
開催、シンポジウムで講演
『澁澤龍彦 幻想美術館』展に出展(埼玉県立近代美術館)
『澁澤龍彦 驚異の部屋』展に出展(ギャラリーTOM)
西麻布から池之端に転居
公明新聞に「澁澤龍彦さんの思い出」を執筆
日刊ゲンダイのコラム[私の人生を変えた1冊]で、澁澤龍彦
[快楽主義の哲学]について語る
『ユリイカ』8月号(特集・澁澤龍彦 20年目の航海)に
「天使の人形について」を寄稿
ヒストリーチャンネルが「時代の響き」で四谷シモンを特集
さまざまなゲストを招いたトーク・イベント、サロン・ド・
シモンをはじめる
[工芸館30年の歩み]で「解剖学の少年」を展示
(東京国立近代美術館工芸館)
『澁澤龍彦 幻想美術館』展が横須賀美術館に巡回
『六本木クロッシング2007 未来への脈動』展に出展
(森美術館)
NHK[知るを楽しむ 私のこだわり人物伝]澁澤龍彦に出演し、
澁澤龍彦の思い出等を語る
2008年 美術雑誌『Prints 21』が四谷シモンを特集
(プリンツ21、2008年夏号)
「澁澤龍彦生誕80年回顧展」開催、澁澤家所蔵の四谷シモン
の人形2点が出展される
同展にて、「澁澤さんと人形」をテーマに講演と朗読を行う
『机』(発行:アスペクト)にて、四谷シモンの仕事場と作業
机が紹介される
2009年 5月、大腿骨折で入院、翌月退院
美術解剖学会大会(於:東京芸術大学)で招待講演
2010年 ポーランドのカトヴィツエ、シレジア美術館で展覧会
ハンス・ベルメールの生誕地であるカトヴィッエでから招待
されポーランドに行く
「現代の人形 珠玉の人形コレクション」に出品
(東京国立近代美術館工芸館)
夜想 特集ベルメールにインタビュー掲載
2014年 個展「SIMONDOLL 四谷シモン」開催
(そごう美術館(横浜)、西宮市大谷記念美術館)
2016年 2月細江英公が撮影した四谷シモンの写真「シモン私風景」
シリーズ26点が展示される(ロンドン テート・モダン)
12月山崎哲・作構成演出の「骨風」(原作・篠原勝之)に出演 |