ルイ イカール Louis Icart(1888−1950)
ルイ・イカールはアールデコ時代にフランスで活躍した画家
であり、時代の空気を今に伝える重要な作品を数多く残した。
イカールは華やかな女性たちを繊細で優雅なタッチで表現し
、第一次世界大戦を生き抜いた独自の戦争観でエッチング作
品を多く生みだした。
中でも、イカールの絵に出てくる女性は皆、妖艶な魅力をかも
しだす。
1950年62歳で没するまで、数々の作品を世に送り出し
続けた。
作品の大半は銅版画で、複雑なテクニックを駆使し、手彩色
を加えるなどして、心理の微妙なきらめき、時代の趣味やリ
ズムが生き生きと反映されたものとなっている。
ルイ イカール年譜
1888 南仏トゥールズ市に生まれる
1904 トゥールズ高等商業学校を卒業
1905 兵役終了後、友人エスキロルと演劇界を目指してパリ
に出る
1908 雑誌「演劇批評」の表紙にHelliの署名でイラストを
描く
この頃から画家になることを考え始める
1911 「バラのメヌエット」「散歩の前に」「オペラ座にて」等
数十点のエッチングを制作
1912 オートクチュールのアトリエで知り合った年上の未亡
人と結婚する
1913 「演劇批評」での仕事が認められラボエシー画廊の第
3回展に出品
1914 ブリュッセルでファッション誌「ガゼットデュポント
ン」主催による個展
エリゼ宮で催されたデンマーク国王夫妻歓迎バレエの
コスチュームをデザイン
1915 長女レーヌ生まれる
1917 ラ・ボエシー画廊の(戦争とユーモア画家展)に版画4
点を出品
1918 戦争をテーマとした作品がエノー画廊の目にとまり、
アメリカ市場に販売開始
1920 シモンソン画廊で油彩画の個展を開く
1922 ニューヨークへ渡る
ニューヨークの画廊ベルメゾンで個展
1923 ニューヨークからフィラデルフィアへ巡回後、帰国
1927 レオン・ドヌール5等勲章を受ける
1928 コレット著「気ままな小娘」の版画入り豪華本を手
がける
1932 ニューヨークメトロポリタン画廊で、油彩の連作「白
いヴィジョン」の展覧会開催
1933 「椿姫」(デュマ・フィス作)のポスターを制作
1943 モンマルトルの丘に立つモーリスヌーモンの旧居を
手に入れる
1944 パリ解放とともに版画制作を再開する
1950 モンマルトルの自宅で逝去 |